ボンクラプログラマーの雑記帳

目を開けたまま夢を見るプログラマーの雑記です。

鋼鉄の翼の天使: luxのプロジェクトがスタートします

今回の長期休暇の十日間。通称地獄のn日間は晴耕雨読ならぬ、晴読雨読の日々を私は過ごしていました。寝ても覚めても積読を崩す日々です。

会社の仕事の影響でIT周りの本ばかり読んでいて全然時間が取れていなかったので仕方のないことですが、実質8日間ずっと本にかじりついていたことになります。

おはずかしながら、これでも人生の中で一番本を読み続けていた時間でした。少なくともだいたい毎日4時間程度を在宅読書に割り当て、バキバキになった体を歩行とストレッチと昼寝によってどうにか再生させ、孤独のグルメのなかで現実や空想へ思いを馳せるという日々です。あとの時間は有意義であればYouTubeでネコチャンの動画を、そうでなければTwitterウクライナやロシア情勢と金融社会の奇妙な状況を、そして時にもっとどうでもいい話に笑い転げならが過ごしていました。こうやって書き出してみるとかなりのどかな暮らしに見えますが、心中は正直仕事してる時の方が数段マシという状況でした。

とはいえ本を読んでいただけになると普通にこのGWでの思い出がなく心を蝕みそうだと一昨日考え、構想を完成させるなら今のタイミングが最も仕事に影響を与えなさそうな気がしたので、梗概1500字で全体像を書き上げ、その冒頭の起承転結にあたるAct1、たいてい私がやるとコールドオープンになってしまう8000字ほどをだいたい二日ですべて書き上げました。一日目にAct1と梗概の全体像をノート数枚に書き出し、二日目にすべてこのiMacに打ち込んだという形になります。

それが、今回のプロジェクト。核兵器と制御不可能な武器取引が融けあう影の世界に舞い降りる、鋼鉄の翼の天使の物語です。

カクヨム: lux
https://kakuyomu.jp/works/16816927863232035319

この作品は、非常にシンプルな発想から全てが始まっています。それは、戦闘機は天使と喩えられるんじゃないかという発想です。

戦闘機の翼の数は六枚。熾天使の翼も六枚。弾丸より高速に、音速で空を走ることのできる翼と、旧約聖書の裁きの如き力を発揮する搭載したミサイルたち。これほどぴったりなモチーフもそうそうないだろうと考えてはいたものの、そのほかの設定に関しては自分の知識と経験が不足していたことから作品の完成は非現実的な状態となっていました。ギルクラ改変作品LOP以外はまだ完成させたことがなく、構成などの発想がなかった時代だからです。

しかし今は、ギルクラ改変bondで再び全てを完結させるに至り、そこで得た構成や表現技術を活用しつつ新しい知識を獲得して書き出したオリジナル長編、スクリプトも完結させられてました。ここまでの知識と経験で、今度こそ書けるんじゃないかと考えたわけです。そして昨今の情勢と相まって、戦時における情報が流れ込み、それが私に追加の本のヒントをくれました。私はとことん時代に影響を受けている作家なんだろうな、と思い知らされました。

とはいえ、冒頭で書いた通り本は山の如く積み上げられ、書いてあることはたいてい前提知識が不足し意味不明。自分の知識のなさにため息をつきながらさらに本を買い込み、さらに積読を高くしながらどうにか読み進めるという有様でした。一歩進んで二歩下がる。進路変更しながら。そういった意味で、かつてないほどに描こうとしているluxという物語の意味に近づいていくことができていると感じられました。私のような現代をベースに作品を書くタイプには、案外専門性を意図的に独学で広げていくスタイルのほうが噛み合っているのかもしれません。代償は、図書館でもあまり扱われない本を優先的に実費で買い込むことで貯金を失うことですが、どのみち数万円の差にしかならないと考えれば、使い切れもしないApple王国のハイエンドマシンに金を突っ込むよりはマシです。

まだ本編としての完成はまだです。梗概としては完成しているものの、整合性を保てるかどうかは実際に書いてみたりさらに想像を練らないとなんとも言えない状況のためです。私は勢いで書くやりかたが得意ではないので、長期戦を覚悟する必要があります。おそらくオリジナルは一年で一冊ずつ書くのが今の私の知識量だと限界です。何かの間違いで商用作家として超長編を書く羽目になったらたぶんbondやLOPの時代のごとく3~5冊の単行本を毎年書けるでしょうが、いまわたしがやっているのは、その長編を実装可能にする知識や経験の統合が主軸であり、使う筋肉が大幅に違うように感じています。

そんなわけで、このluxはわたくしの毎年恒例のクリスマスイブ・リリースが現状最も現実的で、最悪のシナリオとなります。可能な限りそんなことは避けたいです。私の気持ちはもっと休みたいと叫んでいます。夏季休暇ですべてにケリがつくといいな、と思っていますが、そうはならんやろ、もっと話に整合性を持たせろ、と私の気持ちが言い出したら詰んでしまうことでしょう。本は追加で買い込まれ、それを土日にその山を崩しながら生きる日々。私にできるのはこんな日常をどうにか圧縮し、終わらせることだけでしょう。

とはいえ、今はかつてないほどに物語を書くこの仕事を能動的にコントロールできている感覚があります。納期を早められるようになれればもっといいんでしょうけど、やはりそのためには私はもっと世界を知らねばならないのかもしれません。

とりあえず私はこれから、長い昼寝につこうかと思います。
いつも通りの太陽の光が降り注ぐ、私のいつものワンルームで。