ボンクラプログラマーの雑記帳

目を開けたまま夢を見るプログラマーの雑記です。

スクリプトver3!(演出が)おいしくなってリニューアル!

GWには戦闘機ものluxを書いていて、執筆にはもうこりごりだよ〜と思っていた倉部改作です。なんだって本当に毎回毎回新しいことを覚えなきゃいけないのか。なぜそしてそうでないと自分が納得できないのか。自分の世界の最大の謎です。

で、流石に休もうと思いまして、日々の生活に溶け込んで暮らしていたはずだったんですが、ここ最近とんでもねえ好きで作品をつくりあげてしまう映画たちにあてられてそういうわけにもいかんくなってしまいました。シン・ウルトラマントップガンマーヴェリックです。

 

シン・ウルトラマンに関してはウルトラマンについて本当にほとんど漫画URTRAMANという等身大アイアン・ウルトラマンしか知らない状態で見たんですが、素で楽しむことができました。ちょっと不思議な設定や、行き過ぎればチープになりかねない表現達が、冷静すぎる構成能力で熱く束ねられていたからです。本気でウルトラマン好きじゃないとできない表現ばかりで、オタクが本気で遊んでいやがる……すげえ……とただたまげた状態になっていました。エヴァで私が好きだったシンクロ率というトンデモ表現も、あの機械のなかに押し込まれた本当はすごいはずの巨人というモチーフも、もしかして人と融合したウルトラマンからいらっしゃったんです?というかんじでどんな解釈が正解か不正解かは重大ではなく、ただただ強い感情に当てられて呆然とせざるを得ませんでした。「好きこそ物の上手なれ」。私の好きな言葉です。

 

トップガンマーヴェリックに関しては自分で戦闘機ものとして書いているluxという武器商人が戦闘機自作して安全保障の戦いに参加しちゃう系のアングラな作品を書いておりまして、すごく興味の近いジャンルだったのもあって見に行きました。はじめはロッキード社のF-35F-22は出ないのか……まあ予算や安全保障の関係上無理そうだよなあ……前作みたいに教えてF/A-18で実戦して終わりなんかな〜とトレーラーとか見てぼんやり考えていました。IMAXトムクルーズおじさんが本気で撮ってるってことは十分理解できたのでIMAXフィルム圧と音圧を浴びにいくか〜くらいの感覚で行きました。

ですが蓋を開けてみれば全く逆のことが起きていました。おかげで私の情緒は他の皆様同様に崩壊しました。え?開幕空母のシーン明らかにカメラワークがシーケンスに沿いすぎていて、わざわざズームアップしたカット差し込んできて凝りすぎてないか?で極超音速機のテスト?F-22よりえぐい機体がロッキード社の名前で出しとるやん?それで本編で敵にはロッキード社が悪ふざけでF-22を超えるべく作ったようにしか見えない第五世代戦闘機?でこっちが乗ってるのはF/A-18で奴ら第五世代戦闘機との戦闘を避けてSAMを避けまくる?であの映画で優遇されがちなネコチャンのサービスシーンのように出てくるF-14はなに?トムキャットだから?え?これ本当に訓練シーン?マニューバの大技発動しまくりで激アツすぎん?……それでなんで空母から発艦するだけでこんなに涙がボロボロ出てるんや?ああそんな!勘弁してくれ……突然ミッションインポッシブルが始まるやん!?

それぞれの要素に関してしょぼい感想しか出てこないのですが、これでも私は三回これを観に行っています。あと三回は観に行かないと語彙力が身につかないのか。いえ、多分永遠につかないんでしょう。

とそういうわけで、戦闘機オタクなら誰でも妄想したものが、どういうわけかひとつの物語として鋳造されてたったひとつの方向性に形作られているのです。演出の面でも驚くほど練られていて、脚本もすさまじいんですが、何よりも本気で空を飛ぶという気迫が伝わってくるのです。人生の中で最も泣いた映画、まさかトップガンマーヴェリックになるなんて……クソデカスクリーンで見られるこの時代この瞬間に生きていて本当によかった。そう思うほどです。トム・クルーズはスクリーンを越えて不可能を可能にする男だったようです。

 

こういう感じでとてつもない映画にあてられて、私は必死に作品を書き直し始めました。戦闘機もののluxではなく、スクリプトのほうでしたが。というのも、公募に出したスクリプトver2を、ギルクラ改変bondのきっかけをもらいました友人に読んでもらった結果「つまりどういうこと?」と言われ、いろんな泣き言やぼやきや言い訳を繰り返しながらいろいろ思索を繰り返した結果、「独裁者による搾取なき世界を実現しようとした暗号通貨開発者が、結局その能力のせいで独裁者になってしまう」という強烈なデザインを閃くに至ったためです。もとから描かれていた内容ではあったものの、ここまで大きな意味を与えられるとは考えもしてませんでした。ギルクラbondにおける「友達を武器に戦う」の原点回帰並みに重大なアイデアです。王、独裁者になった主人公は、自らの力や通貨を他者に譲りわたすことで自らの過ちに至る前に全員が力を持つ状態を作り出そうとするのです。で、どうにもならず、自分はボロボロになり、世界は破滅しなくても険悪になっていく。そんな主人公が語る、スクリプト。これがver3と呼ばれるに十分な演出を盛り込めると確信し、さっきまで必死に書いてました。で、ようやく本題です。演出おいしくなってリニューアルです。

 

kakuyomu.jp

 

 

毎度のことながら友人には感謝が必要です。私は毎回作品のコアになる部分、構造というかアーキテクチャに囚われすぎて最も表層の部分がみえません。そのへんの観察眼は、友人から話を聞きながら意図を汲み取る方法で、bondもスクリプトもどうにかなってきました。本当にありがとうございます。これで人生ではじめてのオリジナル長編完結作を、いま人生で最も誇れる自分の作品のひとつとして到達させるに至りました。人気が取れなかったとしても、この作品は、それで得られたこの経験は、何物にも変えがたいです。

シンウルトラマントップガンマーヴェリックのような本気を見ながらこうして自分も最大限の本気を出して作品を送り出せるっていうのは、とてもうれしいことです。私はとてもいい時代に、とても良い場所に生まれたようです。なので引き続きこのスクリプトをいろんなところでちゃんと公募にも出せるように準備したり、ちょっと公募の結果をまったりしながら過ごします。

とりあえず今週についてはまたトップガンマーヴェリックを見に行こうと思っています。この熱さをなんとかluxにも持っていけたら良いなあと思っています。